前回、ご報告しました平成18年度税制改正で、平成18年

  4月1日以降開始する事業年度の会社から、この社長報酬の給与

  所得控除分が損金に算入できなくなることとなります。

   その対策を、考えていかなければなりません。

  対策としては 株主対策、役員対策、所得対策の3つが考えられ

  ます。

  〔株主対策〕

   同族会社の業務を主宰する役員及びその同族関係者等で発行済

  み株式の保有割合を89%以下とする。

  @同族関係者等(6親等内の血族と配偶者、3親等内の姻族)以

   外の者に11%の株式をもってもらう。

    例えば、子供の配偶者の父親(同族関係者から除かれる)に

   もってもらう。

  A社員に株主になってもらう。

    従業員持株制度として、従業員持株会社を設立し社員に株主

   になってもらう。ただし、株主配当等の問題も考慮しなくては

   ならない、また譲渡価額も問題で、実態が伴っていなければな

   らず、内部留保のある会社の株式については、その『価額』が

   適正かどうかの問題の生じてくる。


  〔役員対策〕

   役員及びその同族関係者が常務に従事する役員の過半数を占め

   ないようにする。

  @社員を役員(取締役)にする。

  A同族関係者等以外の者に役員になってもらう。

    ただし、形式だけでなく、実質的な役員報酬の支払い、実質

   的な取締役としての業務の遂行が求められます。

    過半数とは、常勤役員が4人の場合、同族関係者以外の役員

   が2人いれば該当します。


  〔役員給与支払い前の所得を抑制する〕

   会社をつくることのメリットは給与所得控除だけでは無いと考

  えられます。

   役員報酬の見直しも検討されます。

   実質一人会社の増税の内容の中に「直前3年以内に開始する事

  業年度における、同族会社の所得等の金額(所得の金額と所得金

  額の計算上損金の額に算入された給与の額の合計額)の平均額が

  800万円以下である場合は適用除外される」と規定されていま

  す。

   さらに年800万円以下基準を満たさない会社でも、課税の適

  用が除外される場合があります、これは「同族会社の所得等の金

  額が年800万円超3000万円以下であり、かつ、その平均額

  に占める給与の割合が50%以下である場合です。

   分かり易く言えば、法人所得等の額が社長の給与の額以上であ

  る場合です。そこで社長給与を見直し、法人による生命保険の加

  入により保険料を損金算入しながら、勇退時の退職金準備をして

  いくのも、ひとつの方法かと思います。

   いずれにしましても、その対策は期末までですので、法人毎に

  その対策が異なりますので、当事務所の担当者とじっくりと検討

  されることをおすすめいたします。

   18年度の税制改正で、平成18年4月1日以降開始する事業

  年度から社外の者を接待した場合に1人当たり5000円以下の

  金額は損金算入されることとなりましたが、財務省令で損金算入

  適用のための必要な書類の記載事項が公表されました。

  1.当該飲食等のあった年月日

  2.当該飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係ある

    者等の氏名又は名称及びその関係

  3.当該飲食等に参加した者の数

  4.当該費用の金額並びにその飲食店、料理店等の名称及びその

    所在地

  5.その他参考となるべき事項

   以上の内容を領収書に明記しておけば良い事となりましたが、

  実際には細かく、その担当者の責務として報告してもらうように

  しましょう。

   塵も積もれば山となります。